飛行機を降りてから、ホテルの部屋に荷物を置くまでの最初の3時間。入国審査、両替、SIMカードの購入——初めての国では、この短い時間にいちばん緊張する場面が集中しています。韓国語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語の4言語で、到着直後に使う一言を場面ごとに見比べてみましょう。

シーン1 入国審査で「観光です」と伝える

審査官に渡航目的を聞かれたら、この一言で十分です。

言語 表現 読み方 ポイント
タイ語 มาเที่ยวค่ะ マー ティアオ カ เที่ยว(ティアオ)=観光する
韓国語 관광하러 왔어요 クァングァンハロ ワッソヨ 왔어요(ワッソヨ)=来ました【文末】
ベトナム語 Tôi đến để du lịch トイ デン デー ズー リック du lịch(ズーリック)=観光
インドネシア語 Saya mau berlibur サヤ マウ ブルリブル Saya mau(サヤマウ)=私は〜したい【文頭】

「観光する」にあたる言葉の位置に注目すると、タイ語・ベトナム語・インドネシア語では文の前寄りから中ほどに置かれるのに対し、韓国語だけは文末の述語(왔어요)にまとまります。この「韓国語は述語が最後に来る」という並びは、実はこのあとの両替やSIM購入の場面でも一貫して登場する、4言語を見比べるうえでの大きな手がかりです。

シーン2 両替所で「両替してください」とお願いする

現地通貨がなければ、タクシーにも屋台にも困ってしまいます。まずは空港の両替所で、この一言を。

言語 表現 読み方 ポイント
タイ語 ขอแลกเงินค่ะ コー レークングン カ ขอ(コー)=ください【文頭】
韓国語 환전해 주세요 ファンジョネ ジュセヨ 주세요(ジュセヨ)=ください【文末】
ベトナム語 Cho tôi đổi tiền ạ チョー トイ ドイ ティエン ア Cho tôi(チョートイ)=私にください【文頭】
インドネシア語 Saya mau tukar uang サヤ マウ トゥカール ウアン Saya mau(サヤマウ)=私は〜したい【文頭】

ここでも「ください」にあたる言葉は、韓国語だけが文末(주세요)で、残る3言語は文頭寄りです。タイ語の「ขอ(コー)」、ベトナム語の「Cho tôi(チョートイ)」は、この先どんなお願いをするときにも文頭に置くだけで応用が利く、覚えておいて損のない言葉です。

シーン3 SIMカードを買って通信手段を確保する

地図アプリも翻訳アプリも、通信環境があってこそ。到着ロビーのカウンターで、この一言を。

言語 表現 読み方 ポイント
タイ語 ขอซื้อซิมค่ะ コー スー シム カ ขอซื้อ(コースー)=買いたいのですが【文頭】
韓国語 심 카드 사고 싶어요 シム カドゥ サゴ シポヨ 사고 싶어요(サゴシポヨ)=買いたいです【文末】
ベトナム語 Cho tôi mua sim ạ チョー トイ ムア シム ア Cho tôi(チョートイ)=私に〜させて【文頭】
インドネシア語 Saya mau beli sim サヤ マウ ブリ シム Saya mau(サヤマウ)=私は〜したい【文頭】

シーン4 到着ロビーでWi-Fiに繋ぐ

SIMの設定が終わるまでの間、まずは到着ロビーの無料Wi-Fiを頼りたい場面。フロントやカウンターで、この一言を。

言語 表現 読み方 ポイント
タイ語 ขอรหัสไวไฟค่ะ コー ラハット ワイファイ カ ขอ(コー)=ください【文頭】
韓国語 와이파이 비밀번호 주세요 ワイパイ ビミルボノ ジュセヨ 주세요(ジュセヨ)=ください【文末】
ベトナム語 Cho tôi mật khẩu wifi ạ チョー トイ マッ カウ ワイファイ ア Cho tôi(チョートイ)=私にください【文頭】
インドネシア語 Saya mau password wifi サヤ マウ パスワード ワイファイ Saya mau(サヤマウ)=私は〜がほしい【文頭】

「Wi-Fi」はどの言語でも外来語がそのまま定着していて、発音も似通っています。違うのはやはり「ください」の位置で、韓国語だけ文末、他の3言語は文頭という、この記事で見てきたのと同じ法則がここでも成り立ちます。単語は借用しても、文法の骨格は言語ごとに保たれているということです。

もし荷物が出てこなかったら

ターンテーブルを何周待っても、自分の荷物が出てこない——そんなときも、慌てず一言。タイ語は「กระเป๋าหายค่ะ(グラパオ ハーイ カ)」、韓国語は「짐이 없어졌어요(チミ オプソジョッソヨ)」のように、こちらも韓国語だけが文末に「なくなりました」の述語がまとまる形です。落ち着いてこの一言を伝えれば、専用のカウンターに案内してもらえます。空港によっては、荷物の引換証(タグ)の提示を求められることもあるので、搭乗券と一緒に保管しておくと安心です。

渡航前のオンライン申請、4カ国とも「紙」から「デジタル」へ

近年、4カ国とも到着時の書類手続きが次々にデジタル化されています。韓国は事前オンライン申請「K-ETA」、タイは2025年5月から紙の入国カードを廃止し「TDAC」への事前登録が必須に、ベトナムは電子ビザ「e-Visa」(公式サイトから申請、手数料は数十米ドル程度)、インドネシアは到着ビザをオンラインで取得できる「e-VOA」(目安500,000ルピア)と、呼び名も手続きも国ごとに異なりますが、共通しているのは「出発前にスマホかパソコンで済ませておける」という点です。手数料や必要条件は制度改定で変わることもあるため、渡航先が決まったらまずこの手続きの有無と期限・最新の費用を公式サイトで調べておくのが、4カ国共通の最初の一歩といえます。

4言語に共通する、ひとつの法則

入国審査、両替、SIM購入、Wi-Fi、荷物のトラブル——到着直後の場面を見比べてみると、ひとつの共通点が見えてきます。タイ語・ベトナム語・インドネシア語は「ขอ/Cho tôi/Saya mau」のような「〜したい・ください」にあたる言葉を文の前寄りに置くのに対し、韓国語だけは一貫して文末の述語にその意味がまとまるということです。この違いを先に知っておくだけで、初めて聞くフレーズでも「たぶんこのあたりに大事な部分がある」と見当をつけられるようになります。

もうひとつ気づくのは、韓国語の文末表現がどれも「-요」で終わっているという点です。「왔어요」「주세요」「싶어요」——語尾の形さえ覚えてしまえば、あとは前に置く単語を入れ替えるだけで、いろいろな場面に応用できます。タイ語・ベトナム語・インドネシア語も同様に、「ขอ」「Cho tôi」「Saya mau」という前置きの型を覚えてしまえば、そのあとに続く単語を差し替えるだけで会話の幅がぐっと広がります。

アジコトの「旅するモード」では、この4つの場面をアジアの地図上でタップしながら、実際に声に出して練習できます。到着直後の3時間を、緊張の時間から旅の始まりの時間に変えてみませんか。

国別の空港ガイドはこちら

渡航先が決まっている方は、国ごとの空港ガイドもあわせてご覧ください。仁川空港に着いたらまず使う韓国語ひとこと、タンソンニャット空港に着いたらまず使うベトナム語ひとこと、スワンナプーム空港に着いたらまず使うタイ語ひとこと、スカルノハッタ空港に着いたらまず使うインドネシア語ひとことで、それぞれの空港に特化したフレーズを詳しく紹介しています。

参考

本記事で紹介した渡航前手続きは、いずれも各国政府が運営する公式制度です。

  • K-ETA(韓国政府、電子渡航認証制度) ― 韓国入国前に必要なオンライン事前申請
  • TDAC(タイ王国政府、Thailand Digital Arrival Card) ― 2025年5月に紙の入国カードから移行したデジタル入国カード
  • e-Visa(ベトナム政府、電子ビザ制度) ― ベトナム公式サイトから申請するオンラインビザ
  • e-VOA(インドネシア政府、電子到着ビザ制度) ― インドネシア到着時にオンラインで取得できるビザ

よくある質問

Q. 空港到着ロビーのWi-Fiは、誰でも無料で使えますか?
多くの空港で無料Wi-Fiが提供されていますが、時間制限やSMS認証が必要な場合もあります。SIMやeSIMの準備が済むまでのつなぎとして活用しましょう。

Q. 到着直後にいちばん優先すべきフレーズはどれですか?
まずは入国審査の「観光です」の一言です。そのあとの両替・SIM購入は、到着ロビーの混雑状況を見ながら順番を前後させても問題ありません。

Q. 4言語とも同じ順番で覚えれば効率がいいですか?
はい。この記事で紹介した「入国審査→両替→SIM→移動」という流れは、どの言語圏でもほぼ共通する到着後の動線です。ひとつの言語で流れを覚えれば、他の言語でも応用が利きます。

Q. スマホの通信が使えない状態でも大丈夫ですか?
到着ロビーには無料Wi-Fiが用意されている空港がほとんどです。SIMカードやeSIMの手続きが終わるまでは、そちらを活用しましょう。

Q. 4言語とも、到着後の動線はまったく同じですか?
基本の流れ(入国審査→荷物受取→両替→SIM→市内への移動)はほぼ共通していますが、空港ごとの設備や配車アプリの普及度には差があります。国別記事で細かい違いを確認しておくと安心です。

Q. 出発前にダウンロードしておくべきアプリはありますか?
韓国はNAVERマップ・カカオT、ベトナム・タイ・インドネシアはGrabが定番です。それぞれの国のメッセージアプリ(カカオトーク・Zalo・LINE・WhatsApp)も入れておくと現地での連絡がスムーズです。

Q. K-ETA・TDAC・e-Visa・e-VOAは、どれも同じタイミングで申請すればいいですか?
制度ごとに申請可能な期間が異なります(TDACは到着72時間前から、ベトナムのe-Visaは審査に数営業日かかる、など)。渡航先が決まった時点で早めに公式サイトを確認し、余裕を持って手続きを済ませておくのが安心です。