タイの屋台では、辛さの調整はお願いすれば当たり前に叶えてもらえるもの。細かく好みを伝えられる屋台の注文文化と、そこで使えるひとことを見ていきましょう。
辛さは自分で決める
| 表現 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| ขอเผ็ดน้อยค่ะ | コー ペット ノーイ カ | 辛さを控えめにしてください |
「ขอ(コー=ください)」に「เผ็ดน้อย(ペットノーイ=辛さ少なめ)」を添えるだけの簡単な一言。辛いのが平気なら「เผ็ดมาก(ペットマーク=辛さ多め)」と伝えれば、逆に辛さを強めてもらうこともできます。
一皿に調味料4種、「クルアンプルン」
タイの麺料理店のテーブルには、たいてい「เครื่องปรุง(クルアンプルン)」と呼ばれる調味料セットが置かれています。砂糖・ナンプラー(魚醤)・唐辛子の酢漬け・粉唐辛子の4種が定番で、自分の好みに合わせて味を調整するのがタイ流。同じ一皿でも、人によってまったく違う味に仕上がります。
辛さのレベルは地域でも変わる
タイ料理と一口に言っても、辛さの強さは地域によって差があります。特に東北部イサーン地方の料理は辛さと発酵の旨味が際立つことで知られ、バンコクの一般的な食堂よりも刺激が強いことがあります。逆に宮廷料理をルーツに持つ中部の料理は、辛さよりも甘み・酸味・塩気のバランスを重視する傾向があるとされています。旅先の地域によって「辛い」の基準が変わることを知っておくと、注文時の心構えがしやすくなります。
辛さの体感は人それぞれ
「เผ็ด(ペット=辛い)」の感じ方は人によって大きく異なるため、最初は控えめに頼んで、物足りなければ少しずつ足していくのが安心です。屋台のおばちゃんに「เผ็ดไหม?(ペットマイ?=辛いですか?)」と聞いてみるのも、会話のきっかけになります。
アジコトの「食べる」ステージでは、こうした注文の場面のフレーズを紹介しています。
苦手な調味料も抜いてもらえる、「ไม่ใส่」の一言
| 表現 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| ไม่ใส่ผงชูรสค่ะ | マイ サイ ポンチュロット カ | 化学調味料を入れないでください |
「ไม่ใส่(マイサイ=入れないで)」に、抜いてほしいものの名前を続けるだけの型は応用範囲が広く、化学調味料(味の素)を抜いてほしいときの「ไม่ใส่ผงชูรส」のほか、パクチーが苦手なら「ไม่ใส่ผักชี(マイサイ パクチー)」のように単語を入れ替えるだけで使えます。健康や好みに合わせて味を調整できるのも、屋台文化ならではの柔軟さです。
調味料入れの主役、「プリッキーヌ」の正体
| 表現 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| พริกขี้หนู | プリッキーヌー | タイの極小唐辛子(直訳は「ネズミの糞唐辛子」) |
クルアンプルンの酢漬け唐辛子や、トムヤムクンの辛味の正体になっているのが「พริกขี้หนู(プリッキーヌー)」という小粒の唐辛子です。名前は見た目の小ささに由来する、いささか大胆なネーミング。小さな見た目に反して辛味の指標(スコヴィル値)はハバネロには及ばないものの、一般的なハラペーニョよりはるかに強いとされる、パンチの効いた辛さを持っています。屋台の調味料入れに入っているのを見かけたら、まずは1粒だけ、味見程度に試してみるのがおすすめです。青くて若いものほど辛味が強い傾向があるとも言われています。
「ソムタム」――叩いて作る、名前の由来
| 表現 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| ส้มตำ | ソムタム | 青パパイヤの辛酸っぱいサラダ |
タイ屋台の代表的な一皿「ส้มตำ(ソムタム)」は、その名前自体に調理法が刻まれています。「ส้ม(ソム)」はイサーン方言で「酸っぱい」、「ตำ(タム)」は「叩く」を意味し、文字通り「叩いて作る酸っぱい料理」という名前なのです。実際に屋台では、青パパイヤや調味料、干しエビ、トマトを木製の臼に入れ、ポックポックと軽快な音を立てながら叩いてなじませる様子を目の前で見ることができます。酸味は生ライムやトマトから、しょっぱさは魚醤や発酵調味料から、甘みは砂糖から——それぞれの材料が持つ味を、叩くことで一気に引き出す調理法です。
イサーン料理の奥深さ、発酵調味料「プラーラー」
イサーン地方の料理が独特の風味を持つ理由のひとつが、「ปลาร้า(プラーラー)」と呼ばれる魚の発酵調味料です。バンコクなど中部の料理が甘み・酸味・塩気・辛さをバランスよく組み合わせるのに対し、イサーン料理はこのプラーラーによる塩気と発酵の旨味、そして強い辛さが際立つのが特徴とされています。独特の香りがあるため好みが分かれる調味料でもありますが、本場のソムタムやラープ(ひき肉のハーブサラダ)には欠かせない存在。屋台で「ソムタムイサーン」と「ソムタムタイ(中部風・やや甘め)」の両方がメニューにある場合は、味の違いを食べ比べてみるのもおすすめです。
200年以上の歴史を持つ屋台街、「ヤワラート」
辛さ調整の文化が息づくタイ屋台の中でも、特に食の多様性で知られるのがバンコクの中華街「เยาวราช(ヤワラート)」です。1782年のバンコク遷都にともない、王宮建設のため立ち退きを迫られた潮州系中国人コミュニティがこの地に移り住んだのが始まりとされ、通り自体はラーマ5世治世の1892〜1900年に整備されました。この地に200年以上前から根づいてきた広東・潮州・海南料理とタイの食材・技法が融合した屋台料理がひしめき、東南アジアでも屈指のストリートフード激戦区として知られています。屋台での辛さ調整のコツを覚えたら、ぜひこうした歴史ある屋台街にも足を延ばしてみてください。
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バンコクの屋台での注文フレーズはバンコクの屋台で使う注文フレーズひとこと、辛さ調整の4言語比較は「辛くしないでください」を4言語でもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 辛さを完全になくすことはできますか?
「ไม่เผ็ดค่ะ(マイペットカ=辛くしないでください)」と伝えれば、辛味を抜いてもらえることが多いです。ただし料理によっては元々スパイスを使っているものもあります。
Q. 辛いものが好きな場合、逆にもっと辛くしてもらえますか?
「เผ็ดมาก(ペットマーク=辛くしてください)」と伝えれば、辛さを強めてもらえることもあります。店によって対応は異なります。
Q. イサーン料理を試したいのですが、辛さに自信がありません。
まずは辛さ控えめでお願いし、少しずつ挑戦するのがおすすめです。「ソムタム(青パパイヤサラダ)」など看板メニューでも辛さの調整は可能です。
Q. 化学調味料(味の素)を抜いてほしい場合はどう言えばいいですか?
「ไม่ใส่ผงชูรสค่ะ/ครับ(マイサイポンチュロット)=化学調味料を入れないでください」と伝えれば対応してもらえます。
Q. プリッキーヌはどれくらい辛いですか?
ハバネロほどではありませんが、一般的なハラペーニョよりはるかに強い辛さを持つとされています。小さいからと油断せず、まずは少量から試すのが安心です。
Q. 「ソムタムイサーン」と「ソムタムタイ」はどう違いますか?
ソムタムイサーンは発酵調味料プラーラーを使った塩気の強い本格派、ソムタムタイは干しエビやピーナッツを使ったやや甘めの中部風です。辛さに自信がなければ、まずソムタムタイから試すのがおすすめです。
Q. ヤワラート(バンコクの中華街)はいつからある通りですか?
王宮建設で移住した中国人コミュニティが起源で、通り自体はラーマ5世治世の1892〜1900年に整備されました。200年以上前から続く食文化が今も息づいています。