辛いものが苦手でも大丈夫。「辛くしないでください」の一言があれば、屋台グルメを心置きなく楽しめます。韓国語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語、この記事では「ください」の型を応用した4言語の言い方を比較し、それぞれの国の辛さ文化まで掘り下げて紹介します。
4言語で比較
| 言語 | 表現 | 読み方 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 韓国語 | 안 맵게 해주세요 | アン メプケ ヘジュセヨ | 해주세요(ヘジュセヨ)=してください【文末】 |
| ベトナム語 | Cho tôi không cay ạ | チョー トイ ホン カイ ア | Cho tôi(チョー トイ)=私にください【文頭】 |
| タイ語 | ขอไม่เผ็ดค่ะ | コー マイ ペット カ | ขอ(コー)=ください【文頭】 |
| インドネシア語 | Saya mau yang tidak pedas | サヤ マウ ヤン ティダ プダス | Saya mau(サヤ マウ)=私は〜がほしい【文頭】 |
気づき:「ください」の型がそのまま生きる
この一言は「ください」の記事で紹介したパターンと同じ骨組みです。タイ語(ขอ)・ベトナム語(Cho tôi)・インドネシア語(Saya mau)は文頭に「ください/ほしい」を置き、韓国語だけ(해주세요)文末に置きます。「ください」の型を覚えておけば、辛さの調整にもそのまま応用できます。
韓国語「안 맵게 해주세요」:辛さを段階で選べる国
「안(〜ない)+맵게(辛く)+해주세요(してください)」という組み立てです。「맵다(辛い)」は韓国グルメの必修単語で、「매워요(辛いです)」も一緒に覚えておくと便利です。激辛ブームの本場だけあって、チキンやトッポッキのチェーン店では辛さを段階で選べることがよくあります。「순한맛(スナンマッ=マイルド)」という表示があれば、それが辛さ控えめの合図。逆にもっと辛くしたい人は、この表示のない通常メニューや、さらに上の辛さレベルを選ぶことができます。
ベトナム語「Cho tôi không cay ạ」:辛さは「あとがけ」が基本
「Cho tôi(私にください)+không(〜ない)+cay(辛い)+ạ(ていねいに)」という組み立てです。「cay(カイ)=辛い」に否定の「không」を付けると「辛くない(ものを)」になります。ベトナム料理はタイ料理ほど辛くなく、テーブルの唐辛子やチリソースで自分好みに調整するのが基本のスタイルです。だからこそ「辛くしないで」も伝えやすく、逆に辛さを足したい人はテーブルの調味料を自由に使えます。生の唐辛子の輪切りは見た目以上に辛いので、挑戦するときは少しずつが安全です。
タイ語「ขอไม่เผ็ดค่ะ」:辛さは自分で決められる
「ขอ(お願いします)+ไม่(〜ない)+เผ็ด(辛い)+ค่ะ(ていねいに)」という組み立てです。「ขอ(コー)」は前のレッスンでも登場した魔法の一言で、「〜ください」だけでなく「〜にしてください」というお願いにも使えます。タイ料理は基本的に辛いものが多いですが、辛さの調整は屋台でもレストランでもごく普通のリクエストなので、遠慮なく伝えて大丈夫です。反対にもっと辛くしたいときは「เผ็ดมาก(ペット マーク=すごく辛くして)」で対応してもらえます。
インドネシア語「Saya mau yang tidak pedas」:サンバルは家庭の数だけ味がある
「Saya mau(私は〜がほしい)+yang(〜であるもの)+tidak pedas(辛くない)」という組み立てです。唐辛子をすりつぶした「sambal(サンバル)」は、インドネシア料理の魂ともいえる存在。地域や家庭ごとにレシピが違い、その種類は数百とも言われています。辛いものが平気なら「pedas(辛くして)」、逆なら今回紹介した一言。サンバルを別添えで出してくれる店も多く、自分の好みに合わせて調整しやすいのもインドネシア料理の魅力です。
辛さの段階を伝えたいとき
「まったく辛くしないで」ではなく「少しだけ辛さを抑えて」と伝えたい場合は、韓国語なら「덜 맵게(トル メプケ=もう少し辛さを抑えて)」、タイ語なら「เผ็ดน้อย(ペットノーイ=辛さ少なめ)」のように、程度を表す一語を足すだけで調整できます。屋台の店主は辛さの相談に慣れていることが多いので、身振りを交えて伝えれば大抵は対応してもらえます。
4カ国の辛さ文化を比べてみる
同じ「辛さ調整」をお願いする一言でも、その背景にある食文化は国ごとに個性があります。韓国は辛さそのものをメニューの選択肢として明示するスタイル、ベトナムはテーブル調味料で各自が調整するスタイル、タイは注文時に口頭でリクエストするのが当たり前のスタイル、インドネシアは家庭ごとに違うサンバルを別添えで楽しむスタイルです。「辛さは自分でコントロールできるもの」という感覚は4カ国に共通していますが、そのコントロールの仕組みが違うところに、それぞれの食文化の個性が表れています。
苦手な食材そのものを伝える「〜は食べません」
| 言語 | 表現 | 読み方 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 韓国語 | 고기를 안 먹어요 | ゴギルル アン モゴヨ | 안(アン)=〜ない【動詞の前】 |
| ベトナム語 | Tôi không ăn thịt | トイ ホン アン ティッ | không(ホン)=〜ない【動詞の前】 |
| タイ語 | ไม่กินเนื้อค่ะ | マイ ギン ヌア カ | ไม่(マイ)=〜ない【文頭】 |
| インドネシア語 | Saya tidak makan daging | サヤ ティダ マカン ダギン | tidak(ティダ)=〜ない【動詞の前】 |
「辛くしないでください」が調理方法へのお願いなのに対し、こちらは肉やパクチーなど苦手な食材そのものを伝える言い方です。面白いことに、否定を表す言葉(안/không/ไม่/tidak)は4言語とも動詞のすぐ前に置かれ、位置がほぼ揃っています。「ください」の型とは違い、否定の作り方はこの4言語に共通するシンプルな法則です。
言葉で調整しても、お腹の準備は別に必要
「辛くしないでください」で辛さそのものは調整できても、現地の料理にお腹が慣れていないことによる胃腸トラブルは、実は韓国旅行でもよく聞かれる悩みです。辛さだけでなく、香辛料の種類や油の量、水が変わることも重なって、旅行中に体調を崩しやすくなるといわれています。対策としてよく言われるのが、辛い料理の前に乳製品や脂肪分のあるものを少し口にしておくこと。牛乳やヨーグルト、チーズなどが胃の粘膜をコーティングし、刺激をやわらげてくれるとされています。また、辛いものと一緒にご飯や麺などの炭水化物をしっかり食べるのも、胃への負担を減らす昔ながらの工夫です。「辛くしないでください」の一言で辛さの土台を下げつつ、食べ方の工夫で体調管理もしておくと、旅の後半まで屋台グルメを心置きなく楽しめます。
関連フレーズ
この型の基本形は「ください」を4言語で言うと?で詳しく解説しています。注文時にあわせて使いたい「おいしい」を4言語で言うと?もチェックしてみてください。
よくある質問
Q. 辛さのレベルはどう伝えればいいですか?
「まったく辛くしない」「少しだけ辛く」など、指を使ってレベルを示しながら伝えると誤解が少なくなります。慣れない場合は「辛くしないでください」の一言だけでも十分です。
Q. 辛いものが好きな場合、逆に辛くしてほしいときはどう言えばいいですか?
表の「ไม่/không/안/tidak」などの否定語を外し、「辛くしてください」という肯定の形にすればそのまま応用できます。
Q. アレルギーがある場合も同じ言い方で通じますか?
辛さの調整とアレルギー対応は別物です。アレルギーがある食材については、事前に単語を調べて明確に伝えることをおすすめします。
Q. 辛さの表現がいちばん豊富な言語はどれですか?
タイ語は辛さの程度を表す語彙が豊富で、屋台での会話も辛さのリクエストを前提に成り立っている場面が多く見られます。旅行者としても、まずは基本の「辛くしないで」の一言を覚えておけば十分対応できます。
Q. 肉全般ではなく特定の食材だけ抜いてほしいときはどうすればいいですか?
「〜は食べません」の食材名の部分を、パクチーやナッツなど苦手なものに入れ替えるだけで応用できます。アレルギーがある場合は、あわせて「ダメです」のようなはっきりした言い方も添えると安心です。
Q. 辛い料理でお腹を壊さないためのコツはありますか?
辛いものを食べる前に、牛乳やヨーグルトなど乳製品を少し口にしておくと、胃への刺激をやわらげやすいといわれています。辛さそのものは「辛くしないでください」で調整しつつ、食べ方も工夫すると安心です。