近年、世界的な人気を集めているタイドラマ。中でもBL(ボーイズラブ)ジャンルは海外ファンも多く、タイ語学習のきっかけとして選ぶ人が増えています。ドラマから始める推し活語学を見ていきましょう。

世界が注目する、タイドラマの世界

タイのBLドラマは国内にとどまらず、日本を含むアジア各国、さらには欧米でもファンを獲得するジャンルに成長しました。俳優たちのファンミーティングが海外で開催されることもあり、現地に会いに行くことを目標に語学学習を始める人も少なくありません。

ドラマでよく聞くフレーズ

表現 読み方 意味
รักนะ ラック ナ 好きだよ・愛してるよ

「รัก(ラック)=愛する・好き」に、親しみを込める語尾「นะ(ナ)」を添えた一言。ラブシーンで頻繁に登場する定番フレーズです。まずはこうした短くて覚えやすいフレーズから、耳を慣らしていくのがおすすめです。

「ペアリング文化」が生んだ独自のファン活動

タイのBLドラマ文化のユニークな点のひとつが、2人の俳優を「ペア(カップリング)」として応援するファン文化の強さです。ドラマの共演をきっかけに結成された俳優ペアは、ドラマ終了後もCMやバラエティ番組に一緒に出演し続けることが多く、ファンはその関係性ごと応援します。SNS上ではペアの名前を組み合わせた造語のハッシュタグが飛び交い、世界中のファンが同じタグのもとに集まって交流する光景が日常的に見られます。

原作は小説サイト発、という作品も多い

タイのBLドラマには、もともとウェブ小説投稿サイトで連載されていた作品を原作とするケースが数多くあります。作家が投稿サイトで発表した小説がファンの間で人気となり、ドラマ化されるという流れは、タイのBLコンテンツ業界で定着した成功パターンのひとつです。ドラマを見て興味を持ったら、原作小説の存在を調べてみるのも、より深く物語を楽しむ方法になります。

ファンコンで会えるかも

タイの芸能界はファンとの距離が近いことでも知られ、ファンミーティングやSNSでのやり取りが活発です。推しの投稿にタイ語でコメントを送ってみることも、立派な実践練習になります。

アジコトのレッスンでは、気持ちを伝える基本フレーズも紹介しています。

ブームの火付け役、制作会社GMMTVの存在

タイBLドラマの世界的な広がりを語るうえで欠かせないのが、大手制作会社「GMMTV」の存在です。数々のヒット作を送り出してきたこの会社は、年々多くの新作ドラマを発表しており、業界内でも屈指の制作規模を誇ります。中でも世界的なブレイクのきっかけとなった作品のひとつが「2gether」。タイでの放送と同時にYouTubeでも配信されたことで海外の視聴者を一気に取り込み、放送話数がSNSの世界トレンド入りするほどの話題を呼びました。この成功以降、GMMTV発の俳優たちは日本・韓国・中国など東アジア全域にファン層を広げ、タイエンタメ全体の存在感を押し上げる原動力になっています。好きな作品を見つけたら、その作品がどの制作会社によるものかを調べてみると、次に観るべき作品の見当がつけやすくなります。

「聖地巡礼」も推し活のひとつ

タイBLドラマのファンの間では、作品のロケ地を実際に訪れる「聖地巡礼」も人気の楽しみ方です。カフェや学校、海辺の街など、印象的なシーンの撮影場所をGoogleマップで調べて訪れるファンが世界中から集まり、現地では推し活仲間との交流が生まれることもあります。タイ国政府観光庁もこうしたロケ地情報を発信するなど、ドラマツーリズムとして力を入れている分野です。旅行の計画を立てるときに、好きな作品の舞台を目的地に組み込んでみるのも、語学学習のモチベーションを保つひとつの方法になります。

低コスト・高拡散力――世界で売れるビジネスモデル

タイBLドラマが世界的な人気コンテンツに成長した背景には、独自のビジネスモデルがあります。制作コストを抑えながら表現の自由度を保ち、SNSでの拡散力を最大限に活かして各国のファンにリーチする、という手法が功を奏しているのです。ファンミーティングでは、写真撮影会やサイン会、限定グッズの販売などファンとの直接的な接点を数多く用意することで、コンテンツそのものの視聴だけにとどまらない収益源を生み出しています。従来のテレビドラマとは異なる、SNS時代ならではのグローバル展開のモデルケースとして、他国のエンタメ業界からも注目されている分野です。

日本の「やおい」文化から生まれた、タイBLのルーツ

タイのBLジャンルのルーツをたどると、1990年代前後に日本から伝わった「やおい」漫画に行き着きます。日本の少女漫画の同人文化から生まれたこのジャンルがタイに紹介されると、匿名のペンネームで活動する書き手たちによる小説・同人誌文化として独自に発展していきました。テレビドラマとして本格的にブレイクしたのは2014年放送の「Love Sick The Series」がきっかけとされ、そこからわずか数年のうちにタイBLドラマの制作本数は数十本規模にまで急増したといわれています。日本発のジャンルがタイで独自の「Yドラマ」文化として花開き、今度は日本を含む世界へ逆輸出されているという流れは、アジアのポップカルチャーが国境を越えて影響し合う面白い一例です。

参考

本記事で言及した機関:

  • タイ国政府観光庁(TAT) ― タイドラマのロケ地情報発信など、ドラマツーリズムに関する取り組みを行う政府機関

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よくある質問

Q. タイドラマは字幕なしでも楽しめますか?
最初は日本語字幕で内容を追い、慣れてきたらタイ語字幕に挑戦するのがおすすめです。聞き取れるフレーズが少しずつ増えていきます。

Q. BL以外のジャンルもおすすめですか?
ラブコメディや青春ドラマなど、日常会話が多く登場するジャンルは語学学習にも向いています。好きなジャンルから始めるのが長続きのコツです。

Q. タイドラマのファン同士で交流するコツはありますか?
SNSで作品名のハッシュタグを検索すると、同じ作品を好きなファンとつながりやすくなります。簡単なタイ語で感想を書いてみるのもおすすめです。

Q. 「ペアリング文化」とは何ですか?
共演した2人の俳優を組み合わせて応援するファン文化のことです。ドラマの共演をきっかけに人気が出たペアは、その後もセットで活動を続けることが多く、ファンもペア単位で応援します。

Q. タイのBLドラマは原作があるものが多いですか?
はい、ウェブ小説投稿サイト発の作品を原作とするドラマが多いのも特徴です。ドラマで気に入った作品の原作をたどってみるのもおすすめです。

Q. どの制作会社の作品から見始めるのがおすすめですか?
GMMTVは作品数が多く、話題作も豊富なので、まず観る作品に迷ったらここから探してみるのがおすすめです。世界的な話題を呼んだ「2gether」は入門作としてもよく挙げられます。

Q. タイのBLドラマはいつから今のように人気になったのですか?
2014年放送の「Love Sick The Series」が火付け役とされ、そこから数年で制作本数が大きく伸び、世界的なジャンルへと成長しました。