値段や時間、部屋番号——数字が聞き取れるようになると、旅の安心感がぐっと増します。韓国語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語、まずは1から10までを4言語で比較しながら、それぞれの言語ならではの数字にまつわる仕組みまで詳しく見ていきましょう。
| 言語 | 表現 | 読み方 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 韓国語 | 하나 둘 셋 넷 다섯 여섯 일곱 여덟 아홉 열 | ハナ トゥル セッ ネッ タソッ ヨソッ イルゴプ ヨドル アホプ ヨル | 固有数詞(ものを数える用)。数量を数える場面ではこちらを使う |
| ベトナム語 | một hai ba bốn năm sáu bảy tám chín mười | モッ ハイ バー ボン ナム サウ バイ タム チン ムオイ | 声調に注意。特にnăm(5)とmười(10)は声調で意味が変わりやすい |
| タイ語 | หนึ่ง สอง สาม สี่ ห้า หก เจ็ด แปด เก้า สิบ | ヌン ソーン サーム シー ハー ホク ジェッ ペーッ カーオ シップ | 11以降は「สิบ(10)+หนึ่ง(1)」のように組み合わせて作る |
| インドネシア語 | satu dua tiga empat lima enam tujuh delapan sembilan sepuluh | サトゥ ドゥア ティガ ウンパッ リマ ウナム トゥジュ ドゥラパン スンビラン スプル | 11は「sebelas」、12以降は「belas」を数字のあとに付ける |
韓国語だけ、数え方が2種類ある
韓国語には、上の表の「固有数詞」(ものを数えるときに使う)のほかに、日付や電話番号を言うときに使う「漢数詞」(일・이・삼・사…)という、日本語の音読みに近いもう一つの数え方があります。場面によって使い分けるこの仕組みは、4言語の中でも韓国語ならではの特徴です。値段や電話番号には漢数詞、人数や個数には固有数詞、という使い分けの目安を覚えておくと、聞き取りのヒントになります。年齢を言うときも「〜살(サル)」を付ける固有数詞を使うのが一般的で、この使い分けに慣れるまでは韓国語学習者の誰もが少し戸惑う関門でもあります。
ベトナム語:声調が数字の意味を左右する
ベトナム語の数字は声調に特に注意が必要です。「năm(5)」は声調によって「年」という意味にもなり、「mười(10)」も声調を間違えると別の単語に聞こえてしまいます。11以降は「mười một(10+1=11)」のように、10の位と1の位を組み合わせて作られますが、21以降の1の位が「một」ではなく「mốt」に変化するなど、細かいルールもあります。数字を声に出して練習するときは、声調記号までしっかり意識することが、聞き取りやすい発音への近道です。
タイ語:11以降の組み立て方に規則性がある
タイ語の数字は、11以降が「สิบ(10)+หนึ่ง(1)」のように、10を表す単語のあとに1の位を続けて作られます。20は「ยี่สิบ(イーシップ)」という専用の単語になり、21以降は「ยี่สิบเอ็ด(20+1=21)」のように組み合わせていきます。この規則性さえ理解すれば、11から99までの数字は、1から10までの単語を覚えていれば十分に組み立てられるようになります。
インドネシア語:「belas」で作る11以降の数字
インドネシア語では、11は「sebelas」という専用の単語ですが、12以降は数字のあとに「belas」を付けることで作られます。「dua belas(2+belas=12)」「tiga belas(3+belas=13)」という具合です。20以降は「dua puluh(2×10=20)」のように「puluh(10の位)」を使う仕組みに変わります。この規則性はローマ字表記と相まって、4言語の中でも比較的理解しやすい数字システムだと言われています。
大きな数字を聞き取るコツ
100や1000を超える大きな数字は、現地在住者でも聞き間違えることがあります。値段交渉や会計の場面では、指で数字を示してもらう、電卓アプリの画面を見せてもらうといった方法を併用するのが実践的です。数字は多くの言語で「10の位」「100の位」の単語を組み合わせて作られるため、まずは1〜10と「10・100・1000」にあたる単語を覚えておくと、大きな数字にも応用が利きやすくなります。
数字だけでは足りない:「類別詞」という壁
| 言語 | 類別詞 | 使う対象 | 例 |
|---|---|---|---|
| 韓国語 | 개(ケ) / 명(ミョン) | 物全般 / 人 | 한 개(ハンゲ)=1個、두 명(トゥミョン)=2人 |
| ベトナム語 | cái(カイ) / con(コン) | 物全般 / 動物 | hai quả xoài(ハイ クア ソアイ)=マンゴー2つ |
| タイ語 | คน(コン) / ตัว(トゥア) | 人 / 動物 | คนสองคน(コン ソーンコン)=二人 |
| インドネシア語 | orang(オラン) / buah(ブア) | 人 / 物全般(迷ったらこれ) | dua orang(ドゥア オラン)=二人 |
日本語の「〜個」「〜人」「〜枚」と同じように、韓国語・ベトナム語・タイ語には、数字だけでなく「何を数えているか」を示す類別詞(単位語)が必要です。並び順も言語ごとに違い、韓国語・ベトナム語は「数字+類別詞+名詞」、タイ語は逆に「名詞+数字+類別詞」という順番になります。数字を覚えただけでは注文が完結しない場面もあるので、この違いを知っておくと聞き取りの助けになります。インドネシア語だけは類別詞を省略しても通じることが多く、迷ったら「buah(物全般)」で済ませられる気楽さがあります。アジコトの「文法の基礎」レッスンでも、この類別詞の仕組みを詳しく扱っています。
数字には、発音だけでは終わらない縁起の話もある
数字は数え方だけでなく、発音がもたらす「縁起」も国によって違います。韓国語では「4(사=サ)」が「死」と同じ発音になるため、日本と同じく避けられがちな数字です。ホテルや病院で4階が「F」の表示に置き換えられていることがあるのは、この発音の一致が理由です。逆に「9(구=ク)」は「久しい」を意味する漢字と同じ発音になることから、永遠・長続きを連想させる縁起のいい数字として好まれます。一方ベトナム語の数字(một・hai・ba…)は、韓国語の漢数詞のように漢字由来の発音を持つ語ではなく独自の語であるため、日本語や韓国語のような「発音が不吉な言葉と同じだから避ける」という忌み数の感覚はあまり定着していません。ただしベトナムには、旧暦の特定の日(5日・14日・23日など)は新しいことを始めるのに向かないとされる言い伝えが根強く残っており、数字にまつわる験担ぎの形は国ごとに違いが表れます。中国語由来の漢字文化の影響が薄いインドネシア語にも、こうした発音由来の縁起の感覚はそれほど強くありません。数字ひとつにも、その国が歩んできた歴史の違いが表れています。
関連フレーズ
数字を使う場面では「いくらですか?」を4言語で、「まけてください」4言語比較もあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. 数字はどのくらい練習すれば聞き取れるようになりますか?
1〜10がまず聞き取れるだけでも、値段のやり取りはかなり楽になります。声に出して繰り返し練習するのが上達の近道です。
Q. 類別詞は必ず覚えないといけませんか?
数字と類別詞を省いて名詞と数字だけを伝えても、多くの場合意味は通じます。慣れてきたら少しずつ類別詞も覚えていくとよいでしょう。
Q. 声調を間違えると数字も通じなくなりますか?
タイ語・ベトナム語では声調を間違えると別の単語に聞こえてしまうことがあります。不安な場合は、指で数字を示しながら伝えるのが確実です。
Q. 韓国語の固有数詞と漢数詞、どちらを先に覚えるべきですか?
旅行者としては、値段や電話番号でよく使う漢数詞から覚えるのが実用的です。人数や個数を数える場面が多い場合は、固有数詞も並行して覚えておくと安心です。
Q. 韓国のホテルに4階が無いことがあるのはなぜですか?
「4」の発音が「死」と同じになることから縁起が悪いとされ、4階の表示を「F」に置き換えるホテルやビルがあるためです。日本の「4号室を避ける」感覚に近い習慣です。