現地の人と食卓を囲んだら、乾杯の一言でぐっと距離が縮まります。韓国語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語、4言語の「乾杯」と、それぞれの国ならではの乾杯文化・お酒との付き合い方まで詳しく紹介します。

4言語で比較

言語 表現 読み方 ポイント
韓国語 건배! コンベ 漢字の「乾杯」がそのまま韓国語読みになった言葉
ベトナム語 Một, hai, ba, dô! モッ ハイ バー ヨー 「1、2、3、飲む!」という掛け声。グラスを合わせる「Cạn ly!(カンリー)」もよく使われる
タイ語 ชนแก้ว! チョン ケーオ 直訳は「グラスをぶつける」。乾杯の掛け声として使われる
インドネシア語 Bersulang! ブルスラン 「乾杯する」という意味の動詞がそのまま掛け声になったもの

韓国語「건배!」:漢字がそのまま読みになった言葉

「건배(コンベ)」は「乾杯」という漢字をそのまま韓国語読みにした単語で、日本語話者には音の響きだけでも意味を推測しやすい言葉です。韓国は目上の人と飲むとき、顔を少し横に向けてグラスを傾ける作法があることで知られています。お酒を注ぐときも受けるときも両手を使うのが丁寧な作法とされ、年齢や上下関係を大切にする文化が、乾杯の所作ひとつにも色濃く表れています。友人同士のカジュアルな席では、こうした作法をそれほど堅苦しく考える必要はありません。

ベトナム語「Một, hai, ba, dô!」:何度も繰り返すにぎやかな掛け声

「Một, hai, ba(1、2、3)+dô(飲む)」という、数字のカウントダウンから始まる掛け声です。ベトナムの「1、2、3、ヨー!」は宴席のたびに何度も繰り返される、にぎやかな掛け声として知られています。グラスを合わせるときの「Cạn ly!(カンリー=グラスを空けよう)」もよく使われる表現で、乾杯のたびに場が盛り上がる、ベトナムらしい賑やかな飲み会の光景を象徴する一言です。数字のレッスンで覚えた「モッ・ハイ・バー」がそのまま生きる場面でもあります。

タイ語「ชนแก้ว!」:グラスをぶつけ合う直接的な表現

「ชนแก้ว(チョンケーオ)」は直訳すると「グラスをぶつける」という意味で、乾杯という動作そのものを表現した言葉です。タイでは屋台や食堂での食事のたびに、気軽に「ชนแก้ว!」の掛け声が飛び交います。日本のようにかしこまった乾杯の挨拶を最初にする文化はそれほど強くなく、食事の途中で何度でも気軽にグラスを合わせるカジュアルな雰囲気が特徴です。

インドネシア語「Bersulang!」:動詞そのものが掛け声になった言葉

「Bersulang(ブルスラン)」は「乾杯する」という意味の動詞がそのまま掛け声になったものです。イスラム教徒が多いインドネシアでは飲酒の機会自体が限られますが、ノンアルコールの席でも「Bersulang!」は乾杯の合図として使われます。ジュースやシロップ飲料で乾杯する場面も珍しくなく、お酒の有無にかかわらず、みんなで気持ちをひとつにする瞬間を表す言葉として親しまれています。

お酒が飲めなくても大丈夫

お酒が飲めない・飲まない場合でも、乾杯の掛け声だけ知っておくと、ジュースやお茶で気持ちよく席に加われます。韓国では目上の人にお酌をするときや受けるときに両手を添える作法もあり、こうした所作を知っているだけで「よく知っているね」と喜ばれることがあります。タイやベトナムの屋台の宴席では、お酒が入るとより盛り上がり、何度も乾杯を繰り返す文化があります。無理に飲み続ける必要はなく、グラスに口をつける仕草だけでも十分場に馴染めます。

4カ国のお酒文化を比べてみる

韓国は目上の人への作法が細やかに定められた飲酒文化、ベトナムは何度も乾杯を重ねる賑やかな飲酒文化、タイはカジュアルに何度でもグラスを合わせる気軽な飲酒文化、インドネシアは宗教的な理由から飲酒自体が控えめで、ノンアルコールでも乾杯の習慣が息づく文化——同じ「乾杯」という行為でも、その背景にある国民性や宗教観の違いが色濃く表れているのが興味深いところです。旅先でこうした違いを知っておくと、現地の人との食卓がより理解の深いものになります。

お店に入ったら:「2人です」の伝え方

言語 表現 読み方 ポイント
韓国語 두 명이요 トゥ ミョン イヨ 두 명(トゥミョン)=2人【文頭】
ベトナム語 Cho tôi bàn hai người チョー トイ バン ハイ グオイ hai người(ハイグオイ)=2人
タイ語 โต๊ะสำหรับสองคนค่ะ ト サムラップ ソーンコン カ สองคน(ソーンコン)=2人
インドネシア語 Saya mau meja untuk dua orang サヤ マウ メジャ ウントゥッ ドゥア オラン dua orang(ドゥアオラン)=2人

乾杯の前に、まずはお店に入って人数を伝える場面です。韓国語は「두 명이요(2人です)」と文頭で人数だけをポンと伝える簡潔さがあり、タイ語・ベトナム語・インドネシア語は文の後ろ寄りに人数が来ます。言葉が出てこなくても、指を2本立てるジェスチャーはどの国でも共通して通じる心強い味方です。

タイには「今日は乾杯できない日」がある

気軽に「ชนแก้ว!」が飛び交うタイですが、実は仏教の祝日にあたる「禁酒日」には、時間帯にかかわらずお酒の販売そのものが禁止されます。マーカブーチャーやウィサーカブーチャーなど、年に数回訪れる仏教の重要な日がこれにあたり、コンビニやスーパーの酒類コーナーがその日だけシートで覆われる光景も見られます。また普段の日でも、酒類の販売には時間帯の制限があり、禁止時間帯に屋外や公共の場でお酒を飲んでいると、旅行者であっても罰金の対象になることがあります。ホテルの部屋など私的な空間での飲酒は問題ありませんが、「せっかくだから外で乾杯」と思ったときは、その日がどんな日か、頭の片隅に置いておくと安心です。

関連フレーズ

乾杯のあとの会話には「おいしい」を4言語で言うと?や天気の話題、4言語での切り出し方が役立ちます。仲良くなる会話の続きとしてどうぞ。

参考

タイの酒類販売規制・仏教行事については、以下の制度・慣習に基づいて紹介しています。

  • タイ王国のアルコール飲料管理法(仏教の重要な祝日や特定の時間帯における酒類販売の禁止を定める規制)
  • マーカブーチャー(Makha Bucha)・ウィサーカブーチャー(Visakha Bucha)などタイ仏教の年中行事

よくある質問

Q. お酒が苦手な場合、断ってもいいですか?
もちろん問題ありません。「大丈夫です」の記事で紹介した断り方を使えば、角を立てずに辞退できます。

Q. グラスを合わせるときのマナーはありますか?
韓国では目上の人よりグラスを下に構える、タイでは軽く会釈を添えるなど、細かい作法は国によって異なりますが、笑顔で相手に合わせれば大きな失礼にはなりません。

Q. ノンアルコールの席でも「乾杯」の掛け声は使いますか?
はい。ジュースやお茶での乾杯でも、同じ掛け声がそのまま使われます。

Q. インドネシアでお酒を勧められることはありますか?
観光地のレストランやバーではお酒を提供する店もありますが、無理に勧められることは基本的にありません。断りたい場合は「大丈夫です」の一言で十分です。

Q. 人数を言葉で伝えるのが不安なときはどうすればいいですか?
指を立てて人数を示すジェスチャーは、この4つの国すべてで問題なく通じます。表の言い方と組み合わせれば、聞き取れなかった場合でも確実に伝えられます。

Q. タイの「禁酒日」はどうやって知ればいいですか?
仏教の祝日に合わせて設定されるため、渡航前に旅行会社やニュースで確認しておくのが確実です。コンビニやスーパーで酒類コーナーがシートで覆われていたら、その日は禁酒日のサインです。